アフガニスタンで人道支援に身を捧げた中村哲さんが銃撃され死亡する事件から、まもなく2年になります。中村さんの殺害計画をアフガニスタン当局が事前に察知し、護衛に当たっていた現地の警察や中村さんのNGOに約1カ月前に伝えていたことが、当時の州知事や事件遺族の証言で明らかになりました。しかし、警察が事態を深刻に受け止めなかったこともあり、事件は起きてしまいました。中村さんは厳重な警備で周囲を威圧することを好まず、人に銃を向けず働くことが理解を広げ、安全につながるという信念を持っていました。アフガニスタンでは武装勢力タリバンが政権を掌握したことで、中村さん事件の捜査が中断したり、捜査資料が散逸することも懸念されています。