日本の外交機密文書は30年たつと公開されるというルールがあります。今年公開されたのは1990年の文書。そのとき世界は、イラクのクウェート侵攻に端を発した「湾岸危機」の最中です。米国のブッシュ(父)大統領は、のちに湾岸戦争とよばれる武力行使の準備を着々と進め、イラクのサダム・フセイン大統領は日本人を含む海外の人々を人質にとって抵抗していました。その中で日本は、米国から強力な支援を迫られる一方、人質解放に向けた独自の外交も展開します。30年越しで明らかにされた秘密外交の裏舞台を、たっぷりと描き出します。