毎日新聞・4月10日付朝刊「今日のイチオシ!」編集編成局次長・草野和彦

【「白いダイヤ」科学で守る】

 

日本人が大好きなウナギ。国内の天然ニホンウナギの漁獲量はこの60年で9割以上も減少しました。ウナギの稚魚は色素が少ないこともあって「白いダイヤ」とも呼ばれ、値段が高騰しています。密漁や流通の「闇ルート」も横行しています。このままではウナギの生息数は減少するばかりと危機感を募らせて立ち上がったのが、ウナギの保全生態学の第一人者、海部健三さんです。一本気な性格で、時に周囲とぶつかりながらも適正な「食と保全」のバランスを訴え続ける海部さんの奮闘ぶりを追いました。筆者は、かつて海部さんと同じ東大海洋研究所で研究活動をしたという三股智子記者です。(12版から1、3面)