毎日新聞・4月22日付朝刊「今日のイチオシ!」  編集編成局次長 草野和彦

【琉球遺骨返還認めず】昭和初期に旧京都帝国大(現京都大)の人類学者が、沖縄にある中世の墓所から遺骨を持ち出したとして、子孫に当たるという地元住民らが返還を求めた訴訟。京都地裁は21日、請求を棄却し、理由の一つとして、遺骨保管には学術的価値意義があると強調しました。当時の沖縄は本土から役人が幹部を占め、旧帝大の権力も今の大学の比ではなかったようです。「植民地主義政策のもとで集められた遺骨は地域に返すのが世界の流れ」。こう主張して判決と京大の対応を疑問視する専門家もいます。(社会面)