【迫る / 民間人 ソ連に「置き去り」】第二次大戦を境にソ連(現ロシア)に占領されて南樺太からサハリンと名を変えた地に残り、さらにソ連本土に送られて苦難の人生を送った人たちがいます。軍人ら60万人が集団で抑留され、強制労働に従事させられた「シベリア抑留」はよく知られている一方、民間人が個別にソ連で自由を奪われ、救出の手が十分に届かず「置き去り」にされたにもかかわらず、歴史の片隅に追いやられています。帰国を望みながらもかなわなかった人。日本に戻っても報われなかった人。戦後史の取材を続けてきたベテラン記者が、その痕跡を追いました。(12版から一、三面)