毎日新聞・6月12日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長 麻生幸次郎

【迫る/「笑顔」支える一つの希望 娘失った風見しんごさん】15年前に交通事故で長女えみるちゃんを亡くした風見しんごさん。事故の悲惨さと命の大切さを講演で訴え続け、テレビでは明るい姿を見せるのですが、実は「笑顔の作り方をどうにか取り戻しましたが、本当の笑顔なのかは僕には分かりません」と明かします。「悲しさは15年たっても、ちっとも埋まりません。娘がいなくなってできた心の空白は、娘が生き返る以外には埋まらない」と言うのです。そんな風見さんが抱く「希望」があります。生きている間に心がけて天国でえみるちゃんにもう一度会いたい。えみるちゃんから一言もらいたい。「よく頑張ったね。全部見ていたよ」と。(12版から一、三面)