毎日新聞・7月16日付朝刊「今日のイチオシ!」 デジタル編集本部次長・小坂大

【チェルノブイリ原発 ロシア軍とウクライナ職員の奇妙な共存】

 

史上最悪の放射能漏れ事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発は2月下旬から3月末までロシア軍に占拠されました。武力で占拠したものの、維持管理する人材やノウハウのないロシア軍はウクライナ職員の協力を頼むほかありません。両者の奇妙な共存が続いた36日間をウクライナ警備部門の責任者が毎日新聞に証言しました。

 

 

占拠から14日目に外部からの電力供給が途絶えるトラブルに見舞われます。この警備担当者の頭によぎったのは津波で電源を失った福島第1原発の事故で、ロシア軍に「福島のようになる恐れがある」と訴えたと言います。すると、ロシア軍は自軍の燃料車を非常用発電機に使ったうえに、友好国のベラルーシからも電力供給を依頼して最大の危機を回避しました。緊迫の日々を詳報します。(12版から1、3面)