毎日新聞・7月31日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集編成局次長・木戸哲

【胎内被爆50人の審査中断】

原爆投下直後に広島に降った「黒い雨」に遭い、母親の胎内で被爆したとして、国に被爆者健康手帳の交付を求めている少なくとも約50人分の審査が中断していることが判明しました。黒い雨の胎内被爆者として認められるには、母親が黒い雨に遭った可能性があることと、一定の疾病にかかっていたことを示す必要があります。母親が亡くなっている場合の審査方法が定められていないため、手帳交付手続きがストップしており、国の審査基準の盲点が露呈した形です。同時に黒い雨を浴びた姉妹のうち、姉には手帳が交付され、胎内にいた妹は審査が止まっているというケースもあります。一刻も早い救済を求める人たちの声や、制度の問題点をまとめました。 

(12版から1面、社会面)