【シェークスピアの「別人説」 歴史の謎を追う】
日曜紙面「迫る」では、英国の文豪シェークスピアを巡る歴史の謎を追いました。「ロミオとジュリエット」などの約40作を残した劇作家については、古くから本当の作者はシェークスピアではなかったという「別人説」が存在します。背景にあるのは、貴族的で豊富な知識があり、外国の事情に通じた作品がシェークスピアの生い立ちからは難しいのではないか、という疑問です。それに拍車をかける「失われた歳月」も存在します。
それでも、別人説は英文学界では異説であり、この論争を英国の王室も楽しんでいるといいます。筆者はロンドン支局の篠田航一特派員。今春の着任後、この謎に引き込まれ、シェークスピアの故郷を訪ね、作家や学者から見解を聞き、文献も読みました。「双方の意見を聞けば聞くほど迷ってしまう」と頭を抱えた篠田特派員も、自分なりの考えにたどり着いています。その謎解きをお楽しみ下さい。(12版から1、3面)