【プーチン露大統領 ウクライナ4州「編入」宣言】
ロシアのプーチン大統領は9月30日、ウクライナの東部ドネツク、ルガンスク、南部ザポロジエ、ヘルソンの4州を一方的にロシア領に編入すると宣言しました。4州で強行した「住民投票」の結果を理由にしていますが、ウクライナや欧米諸国などは非難しており、更なる緊張の高まりを避けられない情勢です。
プーチン大統領はウクライナが反撃を強める4州を自国領と強弁することにより、核兵器による攻撃をちらつかせ、劣勢挽回を狙っているとみられます。一方で強気の姿勢の裏側には動員令が国内で混乱を招き、これまでロシアの立場に一定の理解を示していた「友好国」から距離を置かれるプーチン政権の苦しい事情も垣間見えます。
ロシアは本当に核兵器を使う気なのか。核戦争という「最悪のシナリオ」が現実味を帯びるなか、ウクライナを支援する米バイデン政権も綱渡りの判断を迫られます。
(12版から1面、3面)