【気候革命/ 『石炭中止』求め漁師法廷へ】神奈県・相模湾の「海の森」が枯れつつあります。海藻がなくなる「磯焼け」が進んでおり、漁師らにとって大きな収入源になっていたアワビやサザエ、イセエビがほとんど獲れなくなっています。背景にあるのは温暖化です。海面水温が上昇した結果、暖かい海を好むアイゴやウニが急増し、海藻を食べているのです。
にもかかわらず、三浦半島では温暖化をもたらす二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電所の建設が進行中です。「なぜ今さら石炭なのか」。脱炭素の時代に逆行する国の判断の取り消しを求めて、漁師らが法廷闘争に立ち上がりました。欧州では気候変動を巡る国の政策や企業の姿勢が裁判で問われ、対策強化を迫られるケースが増えています。日本の気候変動関連訴訟でも変化は訪れるのでしょうか。(12版から1面と3面)