【迫る/アイヌ力 古布絵(こふえ)に光】アイヌ復権運動の先駆者と呼ばれる宇梶静江さん(89)。いじめや差別に苦しみ、東京では出自を隠す生活を送ってきましたが、「内なるアイヌ」に向き合えない自分自身への怒りが宇梶さんを変えていきます。アイヌ文化を取り入れた「古布絵」の世界を切り開いたことが自信につながり、昨年11月、65年ぶりに故郷・北海道に戻って同胞たちとの語り合いの場を作りました。息子で俳優の宇梶剛士さん(60)も母の背中に追うように、アイヌ文化を取りあげた舞台や舞台映像の映画化に取り組んでいます。