毎日新聞・11月4日付朝刊「今日のイチオシ!」 コンテンツ編成センター長・中村寧

【王将社長射殺逮捕1週間 不適切取引との関連を捜査】

 王将フードサービスの社長だった大東隆行さんが射殺された事件で暴力団幹部の容疑者が逮捕されてから1週間になります。容疑者と大東さんに直接の接点は確認されておらず、京都府警と福岡県警の合同捜査本部は王将から巨額資金が流出した不適切取引と射殺事件の関連性を調べています。

 王将が調査を委託した第三者委員会の報告によると、1995年ごろから約10年にわたって14件の不適切取引が明らかになりました。約200億円が流出し、約170億円が未回収になっていました。大東さんがこうした「負の遺産」の清算に奔走するなか、射殺事件は起きました。

 合同捜査本部は過去最大という137人態勢で事件の全容解明に当たり、取引先とされる企業グループの経営者や王将の元役員らに加え、創業家の親族からも任意で事情聴取するなど、不適切取引をめぐる捜査を本格化させています。

 

12版から社会面)