【葉梨法相を更迭 「死刑のはんこ」発言で】
岸田文雄首相は11日、法相は「死刑のはんこを押す時だけがトップニュースの地味な役職」などと発言した葉梨康弘法相を更迭しました。不祥事による岸田内閣の閣僚辞任は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係が問題視され経済再生担当相を退いた山際大志郎氏に続き2人目です。1カ月足らずで2閣僚が更迭という異常事態になりました。
首相は当初、葉梨氏を続投させる意向を示し、11日午前中の参院本会議でも「説明責任を果たしてもらう」としていましたが、過去にも同様の発言を繰り返したことが分かるなど閣僚の資質を疑わせる事態に政府・与党内から即時更迭を求める声が公然と上がり、午後になって一転更迭となりました。
首相はこの日午後、東南アジア訪問に出発する予定でしたが、出発時間を急きょ大幅に遅らせました。迷走ぶりに野党が批判を強めるほか、与党内でも「判断が遅すぎる」と批判が広がっており、支持率低下に悩む政権の求心力は一層低下しました。
(12版から1面、3面、内政面、社会面)