毎日新聞・11月20日付朝刊「今日のイチオシ!」 デジタル編集本部次長・小坂大

【池上彰さんと対談した保阪正康さん「民主主義の継承に失敗」】

 

ジャーナリストの池上彰さんによる日曜版の対談企画「これを聞いていいですか?」。今回は昭和史研究で知られるノンフィクション作家の保阪正康さんと対談しました。

 

安倍晋三元首相の国葬から約2カ月が過ぎても、国民の納得は得られず、政治不信は募るばかりです。米国に目を向けると政治対立が激しく、民主主義が揺らいでいるように映ります。保阪さんは岸田文雄首相が「国葬を私物化、私有化」して説明のないまま国葬を実施したことが「国民にとって納得できないという感情の渦になった」と振り返ります。

 

 

さらに「僕らの世代は民主主義の継承に失敗した」と指摘して、その理由について「戦前をきちんと理解していないから、民主主義の本質をつかめなかった」と述べました。対談は格差や差別があらわになっている米国社会の現状にも及び、池上さんが「お手本のない時代。自分たちが民主主義とは何だろうと考えることが重要」と締めています。国内外の政治状況を読み解く、中身の濃い内容です。(12版から1面、3面)