【反撃能力 乏しき信念/首相、総裁選にらみ発信/安倍氏周辺働きかけか】
「敵のミサイル発射能力そのものを直接打撃し、減衰させることができる能力を保有することが必要」。秋の総裁選を目指す岸田首相は、安倍派との連携がカギになっていた21年3月、そうツイートしました。「ある人」から「そのくらい発信したらどうか」と指摘されたと、投稿前に派閥幹部に明かしていました。「安倍さんからか」と問われ、こう答えたといいます。「直接ではないんですが」
敵基地攻撃能力は、これまで米国に任せていた「矛」をもつことで抑止力を強化する狙いです。しかし、正確に標的を捉える情報収集能力は不足し、民間人への誤爆の可能性を自衛隊幹部は懸念しています。矛を持つ難しさと危うさを、指揮官たちは肌身で感じています。(一、三面)