【ウクライナ侵攻1年 子供1万人超、露に「移送」 キャンプ参加後帰れず】
ロシアが侵攻するウクライナで、露軍の占領地から子供がロシアに連行された疑いのある事案や、ロシアに行った子供が留め置かれるケースが多発し、国際的に非難の声が上がっています。
ロシアが一時占領していた村に住む女性は、13歳の次女をロシア領内で行うサマーキャンプに参加させましたが、キャンプ中にウクライナ軍が村を奪還し、次女は帰還のめどが立たなくなってしまいました。迎えに行くには前線を迂回して第3国を経由する必要があり、NGOの支援を受けて我が子と再会するまで3カ月以上かかりました。キャンプにはまだ多くの子が残されていたといいます。
ウクライナ政府の推計では、侵攻後にロシアに「移送」された子供は少なくとも1万4450人で、ウクライナ側に戻れたのは126人だけと言います。学校や孤児院から子供たちが連行され、行方不明になっているという報道もあります。
ロシア側は「危険地帯から避難させているだけだ」と連行を否定しますが、国際条約に違反する強制移送の疑いは拭えません。ウクライナの大統領顧問は「救出と見せかけて子供たちを誘拐し、ロシア人家庭の養子にしようとしている」と批判し、国際社会の理解と協力を訴えています。
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ロシアによるウクライナ侵攻開始から2月24日で1年。出口の見えない戦争の実像に迫る連載「出口なき戦争」を始めます。
(12版から1面、3面)