毎日新聞・2月4日付朝刊/今日のイチオシ! (編集編成局次長・猪飼順)

【ワグネルの元傭兵が見た戦地の内情】

ロシアによるウクライナ侵攻では、戦果をアピールする露民間軍事会社「ワグネル」の存在が注目されています。同社の傭兵(ようへい)だったと明かすロシア人男性、マラート・ガビドゥリン氏(56)が1月下旬、長期滞在先のフランスで毎日新聞の取材に応じました。謎が多いワグネルについてガビドゥリン氏は、純然たる民間会社ではなく国家予算で運営されていると明言したうえで、「ロシア指導部にとって帝国的な野望を実現するための道具の一つだ」と指摘しました。

 

ガビドゥリン氏は空挺(くうてい)部隊出身の元露軍中尉で、15年にワグネルに参加。19年の脱退までにルガンスク州とシリアに派遣されました。ウクライナ東部ルガンスク州では、14年春から親露派武装勢力とウクライナ軍の紛争が続いていました。「私たちは戦争の炎をあおる任務を与えられた」と振り返ります。(12版から1,3面)