【五輪談合　組織委元次長ら４人逮捕】

　東京オリンピック・パラリンピックを巡る談合事件で東京地検特捜部は８日、組織委員会大会運営局の次長だった森泰夫容疑者（55）を独占禁止法違反容疑で逮捕しました。企業側は広告最大手「電通」の元スポーツ事業局長、逸見晃治容疑者（55）ら３人が逮捕されました。

　特捜部は森、逸見の両容疑者が談合を主導していたと判断しました。逮捕容疑は組織委が発注したテスト大会の関連業務の入札で、受注予定者を事前に決定し、互いの競争を制限したとしています。テスト大会の落札業者は本大会の運営業務も受注しており、本大会の随意契約も立件の対象になりました。本大会を含めた受注総額は400億円規模に上る可能性があります。

　東京五輪は元理事らが逮捕された汚職事件に続いて組織委元幹部が逮捕される事態となりましたが、組織委は既に解散し業務を引き継いだ清算法人は３月にも業務を終了します。責任の所在はうやむやのままで、「トカゲのしっぽ切り」（組織委元幹部）との声も聞かれ、国際的な信用を失いかねません。

（12版から１面、３面、社会面）