【重いバトン-日銀新総裁誕生へ】
政府は14日、異次元の金融緩和を主導し、4月に任期を終える黒田東彦・日銀総裁の後任に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事案を提示しました。学識者の日銀総裁就任は戦後初。植田氏起用の一報が流れた時は、政界や市場で「誰だ?」との声も聞かれたサプライズ人事です。首相官邸幹部は人選を自賛していますが、人事案提示にいたる過程を取材すると、水面下で起きていた「異変」も見えてきました。新総裁は市場の混乱を避けつつ、大規模緩和の修正を図る難作業に挑むことになりますが、「アベノミクスの否定につながる」緩和の修正には与党内にも強い抵抗があります。人事の背景や植田・日銀を待ち受ける難題を詳しく報じています。(12版から1面、3面、経済面)