【ネス湖のネッシー 色あせない神秘】
日曜朝刊の連載「迫る」は古くから謎の巨大生物ネッシーの出没がうわさされてきた英北部スコットランドのネス湖をロンドン特派員が訪ねました。伝説の歴史は古く、西暦565年に聖職者が訪れ、怪物を神通力で追い払ったという記録があります。騒ぎが大きくなったのは1933年。地元紙が怪物の目撃談を報じ、翌年には世界的にも有名な写真が撮影されました。首長竜を思わせる長い首が湖面から出た写真は90年代に撮影したという医師の知人の親族が「トリックだった」と明かして、ブームは沈静化しましたが、ネス湖は英国有数の観光地です。
かつて「鉄の女」と呼ばれたサッチャー英首相は観光業の活性化のため、ネッシーの探索を真剣に考えたほどでした。英国の主要紙では今でもネッシーが登場するなど、調査や論争が続いています。怪物伝説は世界各地にあります。その中でも、なぜネッシーが人々を引きつけるのでしょうか。色あせない神秘に記者が迫りました。(12版から1面、3面)