毎日新聞・3月4日付朝刊「今日のイチオシ!」 コンテンツ編成センター長・中村寧

【志賀原発敷地内「活断層ではない」 規制委が調査団判断覆す】

 北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の敷地内にある断層について、原子力規制委は3日、「活断層ではない」とする北陸電の主張を妥当と判断しました。2016年に規制委の有識者調査団が一部の断層について「活動した可能性がある」としましたが、その後のデータ追加提出を受け判断を覆しました。廃炉の危機にあった志賀原発は一転、再稼働の可能性が出てきたことになります。

 しかし、志賀原発は周辺にも地震を起こす可能性が指摘される断層があり、安全審査の議論は入り口に立ったに過ぎません。今後は敷地外の断層が起こす地震の規模や津波などの影響を評価したうえで、建屋の耐震性・耐津波性能や設備面の事故対策を審査する必要があり、再稼働の見通しが立つには長い期間を要します。

 

12版から1面、2面)