「『報道介入』の文書公表が波紋」
放送法の「政治的公平」の解釈を巡り、第2次安倍晋三政権時代に首相官邸側と総務省側のやり取りを記録したとされる文書を立憲民主党の小西洋之参院議員が公表した問題で、総務省は7日、全て同省の行政文書だったと認め、省としても全文を開示しました。
文書によると、礒崎陽輔首相補佐官(当時)はTBSの「サンデーモーニング」が政権に批判的だとして解釈変更を主張、安倍氏も「現在の番組にはおかしいものがあり、ただすべきだ」などと発言していました。そうしたやり取りの後、「放送事業者の番組全体を見て判断する」としてきた解釈に、「一つ一つの番組を見て全体を判断する」という解釈が追加された経緯が記されています。
総務省は一部の文書の内容の正確性や作成の経緯が確認されていないため精査を続けるとしていますが、どの文書が精査対象なのかは説明していません。野党は「報道介入だ」と批判。文書に登場する高市早苗経済安全保障担当相の議員辞職を求めていますが、高市氏は「ねつ造だ」と反論しています。水面下のやり取りに加え、文書を公表した政府の思惑や放送現場の受け止めも詳報しています。 (12版から1面、3面)