【デジタルを問う/政府がスパイウエアで監視】権威主義国家でデジタル技術による国民監視が行われていることが問題視されていますが、民主主義が定着した西欧でもその強大な監視能力が影を落とし始めています。例えばスペインでは、北東部カタルーニャ州の独立運動に関わった知識人らが監視の対象になっていました。手段として使われたのが、スマホやパソコンから密かに個人情報を抜き取る監視ソフトであるスパイウエアです。
スペイン政府は裁判所の許可を得て「合法的に監視した」と主張する一方で、「国家安全保障上の機密」を理由に監視対象者らへの情報開示をほとんどしていません。スパイウエアは欧州連合(EU)加盟国のすべてが購入しているとみられています。その乱用は「個人のプライバシーを侵害するだけでなく、民主主義を破壊する」という懸念がでています。(12版から1面、3面)