【異次元の奨学金「中間層」に高い壁】
文部科学省は4日、政府が3月末に「異次元の少子化対策」のたたき台で示した奨学金新制度の詳細を発表しました。2024年度から導入される予定で、給付型奨学金の対象拡大や柔軟な返還制度の導入により、子育て期の負担軽減を図ります。ただ、中間所得層への支援を狙ったものの、対象を子供が3人以上いる「多子世帯」などに絞り、奨学金の額も学費の一部にとどまるといった制約があります。関係者からは「『異次元』というには不十分だ」との指摘があり、制度を議論した文科省の有識者会議のメンバーからも「内容に新味がなく、学生によっては恩恵がないかもしれない」との声があがっています。 (12版から1面)