【気候革命/脱炭素 街の雇用消失】世界的な脱炭素化の波を受け、和歌山県有田市のENEOS和歌山製油所が閉鎖されました。阪神甲子園球場約64個分に及ぶ敷地面積を有し、80年以上にわたって日本の石油精製をリードしてきた製油所の閉鎖で、人口3万人弱のオイルの街は「生きるか死ぬか」の窮地に立たされています。有田市長、和歌山県知事、地元を地盤とする二階俊博・元自民党幹事長らがENEOS側に働きかけ、製油所跡地に廃食油由来の航空燃料の製造拠点を整備することになりました。しかし、こうした代替施設の整備は、各地で相次ぐ工場閉鎖のなかではまれな例です。閉鎖は石油業界にとどまらず、鉄鋼や自動車にも広がっています。実情を取材しました。(1、3面)