【公取委 ビッグモーターを下請け法違反の疑いで調査】
親事業者の立場を利用して、下請け事業者の利益を不当に害した疑いがあるとして、公正取引委員会が、中古車販売大手ビッグモーター(東京都港区)に対し、下請け法違反容疑で調査に乗り出したことが分かりました。関係者が明らかにしました。公取委は違反行為が確認でき次第、下請け代金の支払いや被害回復をビッグモーターに勧告する方針とみられます。
下請け法は、親事業者と下請け事業者の公正な取引を図り、下請け事業者の利益を守る法律。親事業者と下請け事業者の資本金の違いに基づき、両者の優劣関係を自動的に判断する特徴がある。個別事情を加味して「優越的地位の乱用」を厳格に認定し、課徴金の納付命令を出せる独占禁止法に比べて適用が容易で、早期の被害救済につながりやすい。
関係者によると、ビッグモーターは、下請け事業者に作業単価の引き下げを強要したり、店舗周辺の草むしりに参加させたりしていたとされます。また、下請け事業者が所有する車の車検をビッグモーターに依頼するよう求めていたという。いずれも下請け法が禁じる「不当な下請け代金の減額」「不当な経済上の利益の提供要請」「不当な利用強制」に当たる可能性があるといいます。(12版から社会面)