【仏原発の街 廃炉で翻弄】欧州の「原発大国」フランス。2011年の東京電力福島第1原発事故を受けて各原発の段階的閉鎖が決まりました。ですがその後、地球温暖化対策への意識の高まりを受けて、原発再拡大へとかじを切りました。そうした中で唯一、廃炉が決まったのが東部の農村地帯にある国内最古のフェッセンハイム原発です。ただ、50年近く原発に支えられてきた周辺自治体の経済転換は容易ではないことが、特派員のルポで浮かび上がりました。「原発依存の経済を作ったのが国ならば、廃炉後の地域経済の自立を最後まで支援する責務も国にある」。専門家のこうした指摘はフランスだけでなく、日本にも当てはまります。(1、3面)