毎日新聞・4月2日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集制作センター長・猪飼順

【塩谷・世耕氏 離党勧告へ 自民党裏金事件で39人処分対象】

 自民党は派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けた党内処分で、安倍派の座長だった塩谷立元文部科学相と安倍派の参院側トップだった世耕弘成前党参院幹事長を、8段階の処分のうち2番目に重い「離党勧告」とする検討に入りました。党関係者が1日、明らかにしました。処分対象者は計39人で、弁明聴取などを経て4日の党紀委員会で処分内容を決める方向です。

 離党勧告を受けると比例代表への重複立候補ができなくなる上、将来的な復党も難しくなり、対象者の政治生命を大きく左右します。

 塩谷、世耕両氏は安倍派会長だった安倍晋三元首相から現金による還付取りやめを指示されながら、安倍氏の死去後、還付を継続させていた安倍派の2022年幹部会合の出席メンバー。塩谷氏自身の不記載額は234万円にとどまりましたが、最近まで安倍派の対外的トップだった政治的責任を重く見たもようです。

 この幹部会合に出席していた下村博文元文科相、西村康稔前経済産業相についても「離党勧告」か3番目に重い「党員資格の停止」、4番目の「選挙における非公認」とする方向とみられます。(1、5面)