毎日新聞・4月12日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【包丁突きつけられても「自分が悪い」 妻のDV受け続けた男性の呪縛】

 携帯電話のメモリーに入っている女性の電話番号をすべて無断で削除され、帰宅が遅いと玄関前に立たされ、生活用品が切れていると「クズ」と罵倒され、理由もなく包丁を突きつけられ――。四国地方に住む30代の男性は、これが妻からのDV(家庭内暴力)と気付くのに5年もかかりました。

 

 「自分が悪いから怒られる。もっと頑張らないと」と思い、義父母からも「男が我慢すべき」と言われました。「家庭内の悩みを誰かに話すという選択肢はなかった」と男性は振り返ります。実は女性からDVを受ける男性は年々増えています。その実態と課題について深掘りしました。(社会面)