【岸田首相襲撃1年、厳戒警護もろ刃の剣/手荷物に金属探知機、財布の中身チェック】
和歌山市で岸田首相に爆弾が投げつけられた1年前の事件では、警護態勢の甘さが浮き彫りになりました。聴衆のチェックは不十分で、手荷物検査もしていませんでした。警察幹部は「ささいな失敗も許されない」とし、要人警護の現場で試行錯誤が続いています。
衆院島根1区補選を控え、島根県雲南市の屋外駐車場で3月にあった演説会には、自民党の小渕優子選対委員長が訪れていました。聴衆はハンディー型の金属探知機で手荷物検査を受け、「検査済み」を表すシールを衣服に張られました。同じく補選に絡み、3月に松江市のホテルで自民党の茂木敏充幹事長が参加した会議では、出席者は党の関係者数十人に限られていましたが、警察官が財布の中身まで調べようとする徹底ぶりに、出席者が声を荒らげる一幕もありました。(社会面)