毎日新聞・4月26日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【突然断たれた日常 19年前、中学生だった僕が今、語り始めた理由とは】

 「行ってらっしゃい」。いつも通りの朝のやり取りが、今生の別れとなりました。母の命を奪ったJR福知山線脱線事故から19年。「うそや」「そんなわけない」。あふれる涙をシャワーで流した中学2年の少年は、「女性のためになる仕事がしたい。その先に母がいるような気がするんです」と高校卒業後、化粧品会社を設立しました。32歳になった男性は今、事故について話すことを決意しました。その思いに記者が耳を傾けました。(社会面)