【情報漏えいか 公益通報か 鹿児島県警前部長を起訴】
鹿児島県警の情報漏えい事件で、鹿児島地検は21日、警察の内部情報を退職後に漏らしたとして、県警の前生活安全部長、本田尚志容疑者(60)=鹿児島市=を国家公務員法(守秘義務)違反で起訴しました。
地検は認否を明らかにしていませんが、本田被告は逮捕後の6月5日に鹿児島簡裁で開かれた勾留理由開示手続きの中で内部文書の送付を認め、「野川明輝本部長が(不祥事を)隠蔽(いんぺい)しようとしたことが許せなかった」と主張。弁護人も「内部通報」の趣旨だと訴える一方、野川本部長は「隠蔽を意図して指示したことは一切ない」と全面的に否定する異例の展開となっています。
また、今回の事件は、県警が別の事件の関係先としてインターネットメディア代表の男性宅を捜索した際、本田被告が送付した内部文書と同じデータが偶然見つかり、逮捕へとつながった。フリー記者が同メディアでも記事を執筆していたことが理由でした。識者からは内部通報のために報道機関に送った資料が捜査機関に押収され、通報者が逮捕されたことを問題視する声も上がっていました。これまでの経緯や県警の野川本部長が21日開いた記者会見での説明、識者の見方などをまとめました。(社会面)