【迫る 「ひめゆり」の記憶つなぐ 戦後生まれの資料館長】沖縄県糸満市の「ひめゆり平和祈念資料館」。第二次世界大戦末期の沖縄戦の体験を語ってきた元ひめゆり学徒の姿はもうありません。30人のうち21人が世を去り、存命の元学徒たちも90代半ばとなったためです。戦後長く体験を公にしなかった元学徒たちは、80年代に資料館づくりに踏み出しました。背景には、学友たちが死んでいった「地獄そのもの」の光景を、「国に尽くした少女の悲劇」という殉国美談にしないとの強い思いがありました。館長の普天間朝佳さんは「ウクライナやガザで命が奪われ続けている。今こそ沖縄戦の記録と向き合うべきです」と話します。沖縄はきょう、犠牲者を悼む「慰霊の日」を迎えました。(一面、三面)