毎日新聞・7月3日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長・堀雅充

【東京女子医大、推薦入試で寄付金受け取り】

 東京女子医科大(東京都新宿区)の推薦入試で、同大学と同窓会組織の一般社団法人「至誠会」が一部の受験生の保護者らから寄付金を受け取っていたことが明らかになりました。文部科学省は私立大学の入学に関して学校や関係者が寄付金を受け取ることを禁じています。

 関係者によると、至誠会が寄付の意向を聞き取っていたのは卒業生が3親等以内にいる受験生を対象とする推薦入試です。2018年に始まり、推薦枠は数人~10人程度でした。選考は至誠会による面接と大学による審査の2段階。入学希望者が至誠会に提出する推薦依頼書には、過去の寄付実績を記入する欄が設けられ、至誠会の面接では、同席した保護者に大学や同会への寄付の意向を尋ねることもあったといいます。至誠会の推薦を受けた受験生が大学による小論文審査や面接に進み、最終的な合否は大学が決めていました。寄付額が至誠会による推薦の判定に影響していた可能性もあり、文科省は大学に事実関係を報告するよう求めています。(社会面)