毎日新聞・7月4日朝刊「今日のイチオシ!」編集局次長 木村哲人

【強制不妊 全面救済へ / 最高裁「立法時から違憲」 国の賠償確定】

 戦後最大の人権侵害とされる強制不妊手術。その被害者を全面救済する歴史的な判断を最高裁が示しました。旧優生保護法(1948~96年)下で不妊手術を強制された被害者らが国に損害賠償を求めた5件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は3日、旧法の規定を憲法違反とし、国の賠償責任を認めました。ポイントは、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」をどう判断するかでしたが、最高裁は適用しないとする初の統一判断を示しました。長く被害者の補償に動かなかった国の怠慢を、最高裁が断罪しました。

(1面、3面、社会面)