毎日新聞・7月5日朝刊「今日のイチオシ!」  編集制作センター長・猪飼順

【認知症で不明 最多の1.9万人 昨年警察届け出】

 認知症が原因で行方不明になったとして2023年に全国の警察に届け出があったのは、前年比330人増の1万9039人で過去最多を更新しました。警察庁が4日、発表した。統計を取り始めた12年以降、11年連続の増加。23年中に所在を確認できなかったのは同34人減の250人でした。

 認知症の行方不明者の内訳は男性1万597人、女性8442人。22年以前の届け出も含め、23年中に警察や家族らに発見されたのは1万8221人。所在確認の時期は99・4%が1週間以内で、届け出当日は74・2%でした。一方で、死亡していたのは553人。届け出の取り下げなども185人ありました。

 23年7~12月の行方不明の状況を警察庁が分析したところ、全地球測位システム(GPS)機器を靴などにつけていたことで71人の所在が判明。60人は家族が持たせ、11人は自治体からの貸与でした。(4面、社会・総合面)