毎日新聞・8月2日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長 男沢和彦

【「雪のように灰が降った」 届かぬ訴え「被爆者」の壁】「ここへ、ひらひらと雪のように灰が降った」。79年前、原爆がさく裂した長崎市の爆心地から東に約24キロ離れた諫早市の実家の裏庭を指さし、91歳の女性が語りました。国が現在、被爆者健康手帳を交付している区域は爆心地から東西約7キロ、南北約12キロの範囲です。「雨や灰が降った」と証言しているのに被爆者と認められない人たちが長崎に、広島にいます。なぜ訴えは今も届かないのか。住民の思いと国の姿勢を追いました。(一面、社会面)