【兵庫県元局長の処分「公益通報」の結果待つべき 職員進言】
兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は23日、パワハラの有無を明確にするため、非公開で県職員6人を証人尋問しました。終了後に記者会見に応じた委員らによると、複数の職員が知事から厳しく叱責されたり、その場面を目撃したりしたと証言しました。
会見に出席した委員によると、告発文を作成、配布したとして停職3カ月の懲戒処分とされた元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)について、処分の検討の際に県職員が「公益通報の結果が出るまで処分を待った方がいい」と進言していたと証言。元局長は3月に告発文を報道機関や県議らに送付した後、4月4日に県庁内の公益通報窓口に通報しましたが、公益通報の保護対象とされず5月に処分されました。委員の一人は、県幹部らが処分案を決める会議でも3人が公益通報の結果を待つように進言したものの、上層部に受け入れられなかったと明らかにしました。
知事が文書の存在を把握した2日後には、人事当局が告発文の情報源と疑われる職員を捜すため、職員の公用メールのサーバーを調査していたことも判明。奥谷謙一委員長は「はなから文書を調査する気はなく、作成者を特定して処分したいという意図を感じた」とし、「処分に至る県の一連の対応は、組織的なパワハラに当たるのではないか」と述べました。(社会面)