【夫婦別姓、急転 争点に 候補者間の違い鮮明 経団連、放置を批判】
希望すれば結婚後も夫婦がそれぞれの姓(名字)でいられる「選択的夫婦別姓制度」の法制化が自民党総裁選(12日告示、27日投開票)の争点の一つに浮上してきました。小泉進次郎元環境相が1年以内の実現を公約に掲げた一方、保守派の論客・高市早苗経済安全保障担当相が慎重姿勢を示すなど、立場の違いが鮮明になっているためです。保守層への配慮で党内議論が長年進んでこなかったテーマだけに、党内にしこりを残す恐れもあります。
選択的夫婦別姓制度についての議論は、経団連が6月に早期導入を求める提言を公表したことがきっかけで活発化しました。経団連は1996年に法案が準備されたにもかかわらず、自民党保守系議員の反対を受けて国会提出が見送られ、長年放置されていることを批判しています。提言を受け、自民党は7月、ワーキングチームでの議論を3年ぶりに再開しましたが、反対が依然根強く、意見集約のめどは立っていません。(二面)