毎日新聞・9月14日付朝刊「今日のイチオシ!」 統括社会部長 長谷川豊

【警察の個人情報収集は「違法」/名古屋高裁判決/情報の一部抹消命じる】

 中部電力の子会社が岐阜県大垣市などで計画した風力発電事業を巡り、県警大垣署が同社に個人情報を提供したことでプライバシーを侵害されたなどとして事業施設の建設に反対していた住民4人が国と県に損害賠償と個人情報の抹消を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は13日、1審・岐阜地裁判決を変更し、警察の情報収集や保有に違法性があったと認め、県に計440万円の支払いと情報の一部抹消を命じました。長谷川恭弘裁判長は「市民運動などを際限なく危険視して情報収集し、監視を続けることは憲法21条1項の集会・結社の自由などに違反することは明らか」と踏み込みました。公安警察の行き過ぎた捜査を強く批判したといえそうです。(1面、社会面)