【袴田巌さん再審で無罪判決/静岡地裁、三つの証拠捏造を認定】
静岡県清水市(現静岡市)で1966年6月、一家4人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われ死刑が確定した袴田巌さん(88)に対するやり直しの裁判(再審)で、静岡地裁は26日、無罪判決(求刑・死刑)を言い渡しました。国井恒志裁判長は、捜査機関による三つの捏造(ねつぞう)が認められると言及。自白調書は肉体的・身体的苦痛を与えて得た▽「5点の衣類」は捜査機関によって加工・隠匿された▽5点の衣類の一つであるズボンの切れ端が捏造された――と指摘しました。
再審開始決定で10年前に釈放されたにもかかわらず、再審で死刑を求刑した検察の主張を裁判所は一蹴しました。紙面では判決の内容や刑事司法が抱える問題点、袴田さんを支え続けた姉(91)の思いなどを紹介しています。また、事件当時に袴田さんを犯人視する表現もあった本紙報道の検証も掲載しています。(1面、3面、社会面)