【シリア・アサド政権が崩壊 反体制派が首都を制圧、半世紀以上の独裁に幕】
内戦が続くシリアの反体制派は8日に首都ダマスカスを制圧し、国営テレビでアサド政権が崩壊したと宣言しました。タス通信によると、アサド大統領は家族とともにモスクワに到着し、ロシアへの亡命が認められたとのことです。反体制派が11月下旬に大規模攻勢に出てからわずか12日目で、父子2代で50年以上にわたったアサド政権の独裁が幕を閉じ、2011年から続くシリア内戦は大きな転換点を迎えました。
反体制派は米国がテロ組織に指定している「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)が主導。政府軍は目立った交戦はせずに撤退しました。シリア内戦では、トルコやカタールなどがそれぞれ反体制派の各組織を支援し、米国も反体制のクルド系組織を支援。ロシアとイランはアサド政権の後ろ盾となり、激しい対立が続いてきました。今後は反体制派が分裂することなく、スムーズな権力移行や安定した統治を実現できるかが焦点になります。(1面、3面、国際面)