毎日新聞・12月15日付朝刊「今日のイチオシ!」編集局次長 古本陽荘

【韓国 尹大統領 弾劾案可決】韓国の国会は14日、尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案を可決しました。野党議員に加えて、保守系の与党「国民の力」の議員が12人、賛成票を投じたとみられています。尹氏の職務は停止され、当面の間は韓悳洙(ハンドクス)首相が権限を代行することになります。

 180日以内に「憲法裁判所」が弾劾訴追の是非を判断することになり、裁判所が弾劾を認めれば、尹氏は罷免され、60日以内に大統領選が実施されます。

 

 尹氏は「決して諦めない」と全面対決の姿勢ですが、早くも次期大統領選に向けた動きも見え始めています。勢いに乗る最大野党「共に民主党」では、李在明(イ・ジェミョン)代表が候補者争いの筆頭格とみられています。しかし、李氏は公職選挙法違反(虚偽事実の公表)罪で1審で有罪判決を受けており今後、被選挙権を失う可能性があります。与党では、代表の韓東勲(ハン・ドンフン)氏(51)が有力視されていますが、尹氏と同じ「検察官出身」。悪化したイメージを刷新するのは容易ではありません。与野党ともに難題を抱えた形で、次期大統領選は先が見通せません。