毎日新聞・3月22日付朝刊「今日のイチオシ!」 編集局次長 男沢和彦

【原発除染土 「福島で最終処分」だった当初案】東京電力福島第1原発事故による除染土について、環境省は当初、福島県内に最終処分場を建設する絵を描いていました。「他にもっていきようがありません」。2011年6月、環境省の事務次官は福島知事に直談判しました。「とんでもない話だ。最終処分場になれば帰る人はいなくなり、一体が廃墟になりかねない」。申し出を断った知事は、取材にそう振り返ります。この直談判は、事前了解していなかった官邸の怒りを買い、政治主導で県との交渉が進むことになります。当時の経緯と今後の課題を考えます。(一面、三面)