毎日新聞・4月27日付朝刊「今日のイチオシ!」 統括社会部長 佐藤敬一

【「迫る」 不適切指導 絶たれた剣の道/大分・高2 部活で熱中症死】大分県立竹田高校2年だった工藤剣太さんは2009年8月、剣道部の練習中に熱中症になり、亡くなりました。顧問の男性教諭は剣太さんがふらつき、「もう無理です」と訴えながらも練習を続けさせ、あおむけに倒れると馬乗りになって何度も平手打ちにしました。呼び掛けに応じない様子を見てようやく救急車を呼びましたが、剣太さんは搬送先の病院で亡くなりました。我が子の突然の死。学校側の無責任で不誠実な態度に苦しめられながらも「高校生がこんな目に遭って死ぬようなことが、二度とあってはいけない」と奔走した両親と、その願いに応えた元校長らの思いをたどりました。(1、3面)